少子高齢化・人口減少により現役世代(20~64歳)の割合が低下する中、多くの業界で人手の確保が大きな課題となっています。
厚生労働省の資料によると、女性や高齢者の就業率の上昇により、直近の就業者数は安定している一方で、現役世代の人口は減少傾向にあり、2040年には2020年に比べ約1,400万人減少すると見込まれています。
こうした状況下で、特に中小企業では人手不足の傾向が顕著になっています。
2023年の中小企業庁の資料によると、建設・製造・卸売・小売・サービス業など、あらゆる業種で直近の従業員数過不足 DI(従業員の今期の状況について、「過剰」と答えた企業の割合(%)から、「不⾜」と答えた企業の割合(%)を引いたもの)はマイナスとなっており、中小企業の人手不足感は強くなっております。
近年の採用活動においては、エンジニアのような専門的なスキルが求められる職種の採用がより難化しており、こうしたことからも中小企業にとって人材確保は喫緊の課題と言えます。
出典:中小企業庁「2023年版 中小企業白書|令和4年度(2022 年度)の中小企業の動向」
中小企業のエンジニア採用に適した採用手法や、成功させるためのポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
▶ 中小企業がエンジニア採用を成功させるためには?採用のポイントを解説
大企業に比べ、中小企業の求人には応募が集まりにくい傾向があります。その主な原因として挙げられるのは以下の3つです。
求職者の多くは、あまり名の知られていない企業よりもネームバリューのある企業への就職を希望します。中小企業は、業界関係者など一部の人を除き知名度が低い傾向があり、また求人広告に大きな予算を投じることもなかなかできません。
会社が知られていなければ事業内容をイメージしにくく、仮に同じ雇用条件であったとしても、中小企業よりも知名度のある大手企業が選ばれる傾向にあります。そのため、求職者に自社を知ってもらうための工夫・施策が必要となります。
中小企業は大企業に比べ、企業体力や収益性などの面で劣る会社が多く、その分給与や福利厚生などの雇用条件が見劣りするケースが多々あります。
また、各社員の役割が明確化・分業化されておらず、その時々の状況によりさまざまな業務を1人で抱えることも少なくないため、「業務負担が大きいのではないか」といった懸念を抱かれやすい点も課題です。
先述の通り、企業体力や収益性の面で大企業に劣るため、雇用が安定しない印象を持たれやすいという問題もあります。
実際には業界内で確固たる地位を築き、安定した経営を実現している中小企業も少なくないものの、「大企業=安定」、「中小企業=不安定」と一括りにイメージしている求職者も多く、そうしたイメージを払拭するのは容易ではありません。
上記のような背景と原因により、採用活動において課題を抱えることが多い中小企業ですが、どのようにすればそれが対策できるのでしょうか。以降では、応募者を確保するために有効な4つの対策を、具体的に説明していきます。
なお、中小企業では「応募者が集まらない」という問題の他にも、「効果的な採用方法がわからない」「人手が少なく採用活動に注力できない」といった問題がよく発生しています。
こうしたその他の問題への解決策についても確認しておきたい方は以下の記事もご覧ください。
▶ 中小企業が採用活動に苦戦する理由とは?よくある採用課題と今すぐやるべき解決策
採用で不利になりやすい中小企業が応募を十分に確保するためにはどうすれば良いのか、具体的な対策として以下4つをご紹介します。
まず実施するべきことは求人内容の見直しです。
会社の事業内容や採用後の業務内容がイメージしづらいと応募を敬遠する求職者も少なくないため、募集職種や採用後の業務内容を分かりやすく伝えることが重要です。
また、職種や業務内容に見合った求める人物像、勤務条件を設定する必要があります。そして、取得できる資格やスキルなどを求人に明確に記載し、就職後の自身の状態をイメージしやすくすることも効果的です。
また、応募に必要な書類や手続きを簡略化できないか検討するなど、求職者の応募にかかる負担を減らす工夫も求められます。
コロナ禍を経てテレワークが普及するなど、近年は企業での働き方が大きく変化しています。働き方改革の推進も社会的に注目されており、時代に合った働き方を実現している会社が選ばれる傾向が高まっています。
テレワークやフレックスタイムの導入、さらには小さな子供を持つ社員の時短勤務を認めるなど、柔軟な働き方が可能かを検討し、社内体制を整備することが大切です。
待遇の見直しも重要な対策です。
賃金や福利厚生などの面が競合他社に比べ見劣りする場合、採用はより難しくなってしまいます。大企業並みの待遇にすることは現実的でないとしても、応募者が求める待遇の水準を分析したうえで、同規模の他社には劣らない条件を提示することで応募者の増加が期待できます。
②とも関連しますが、応募者を増やすには就業環境の改善も重要です。
社員が働きやすい環境を整備すれば社員の定着率が上がり、求人に対する信頼度も向上するため応募が増え、人手不足解消につながります。
しかし、中小企業の場合、待遇や就業環境の改善には限界があることも事実です。
また、上記のような対策を行ったにもかかわらず、求人に応募が来ないと感じている企業もあるのではないでしょうか。そうした企業は「採用活動の方法」に問題があると予想されます。
これまでご紹介したような待遇面や就業環境の改善に加え、以下3つの採用方法を活用することで応募増加につながるケースもあります。
採用活動を行う際には求人媒体を活用することが一般的ですが、求人媒体によって得意とする業界や職種は異なり、ユーザー層にも違いがあります。
たとえば、IT人材を採用したいのであればIT・WEB業界に特化した求人媒体を選ぶことで、求めるスキルや条件を満たす人材を確保しやすくなります。
また、大手企業の求人情報が多く掲載されている媒体に出稿しても、豊富な予算で大々的に広告を出稿している大手の求人が目立ち、自社の情報が埋もれてしまい応募が集まらないケースもあります。自社の業種や求める職種、会社の規模なども踏まえたうえで最適な媒体を活用することが重要です。
企業が直接求職者へアプローチする「ダイレクトリクルーティング」の活用も効果的です。
先述の通り、採用媒体では大々的に広告を打っている大手企業に太刀打ちできないケースが多くありますが、ダイレクトリクルーティングであれば大手と同じ媒体での競争を避けられ、潜在的な転職者層に積極的にアプローチできます。
また、求職者に個別にアプローチできるため、自社の魅力や採用後の勤務条件などを丁寧に説明でき、求職者に関心を持ってもらいやすく、採用後のミスマッチを抑えられる点もメリットです。
ダイレクトリクルーティングの基本や、中小企業での活用方法などをまとめて確認しておきたい方は、以下の記事をご覧ください。
中小企業の採用活動において大きなネックの1つは知名度の低さであるため、SNSで情報発信し、自社の認知拡大を図ることも重要な施策です。一般的なホームページよりもSNSの方が情報拡散に向いているため、広報活動と相性の良いツールだといえます。
また、自社の業界に興味を持っていそうな就職活動前の学生など、有望な潜在層への認知拡大に活用できるという特長もあります。
こうした方法を活用することで応募の増加を期待できますが、「時間やノウハウがなく、活用できるか自信がない」と感じている企業も多いかもしれません。そこで以下では、そうした中小企業の課題を解決するサービスをご紹介します。
「アイティ人事」は、エンジニア採用に特化・最適化した採用コンサルティング支援サービスです。採用業務にかかるほぼすべての業務を代行し、採用のプロのコンサルティングを受けることができます。
IT業界に特化した採用ノウハウを有しているため、「新しくエンジニアの採用を検討しているものの、採用のためのノウハウがない」というお悩みを持つ企業におすすめです。
また、採用活動全体の設計から支援を行い、スカウトメールの作成・送信、面接日程調整など、手間のかかる業務を任せられるため、採用活動に割く時間が足りない担当者の負担を軽減し、本来の業務や採用の合否判定など重要な業務に集中できるようになります。
以下より「アイティ人事」できます。ご興味のある方はぜひご覧ください。