採用コストを削減するために効果的な方法とは?
2024年
本記事では、人材採用にかかるコストがかさむ原因や、採用コストを削減するための効果的な方法を解説します。
人材採用にかかるコスト
企業が人材を採用する際にはさまざまな費用がかかります。以下ではまず、人材採用にかかるコストの概要とその計算方法、1人当たりの平均採用コストについてご紹介します。
採用コストとは
採用コストとは、企業が新しい人材を採用する際にかかる費用のことを指します。採用コストは、大きく内部コストと外部コストに分類できます。
内部コストは、企業内部での採用にかかる費用です。採用を担当する従業員の給与、採用に関する訓練や研修の費用、面接の際に支払う旅費、内定者向けの懇親会の費用、採用関連のオフィススペースや設備にかかる費用などが挙げられます。
一方の外部コストは、企業外部のリソースやサービスを利用することによって発生する費用です。主に人材紹介会社や求人広告会社など外部の企業に支払う経費が該当し、求人広告費、採用代行料、合同の会社説明会への出展料、採用ホームページやパンフレットの制作外注費、選考テストの費用(外部委託した場合)などが挙げられます。
採用コストの計算方法
採用コストは、内部コストと外部コストの合算値です。1人当たりの採用コストは以下の計算式で求められます。
採用コストは、先述のように内部コスト、外部コストともにさまざまな費用がかかります。採用プロセスごとにかかっているコストを正しく把握することは、採用活動の質を落とさずに適切なコスト削減策を取ることにつながります。
【新卒・中途】1人当たりの平均採用コスト
1人当たりの平均採用コストを新卒・中途別に見てみると、どちらも2019年度のデータですが、新卒に採用における1人当たりの平均採用コストは93.6万円、中途採用における平均採用コストは103.3万円となっています。
出典:就職みらい研究所『就職白書2020』,リクルート 就職みらい研究所調べ
企業が社員1人を採用するためにかかる平均コストは、業界や地域、企業ごとにも大きな差があります。また、中途採用社員を1人採用するためにかかる平均コストは、新卒採用と比べて高くなる傾向があります。これは新卒採用では複数人を一括で採用できる一方、中途採用では個別に対応する必要があるためです。
近年の採用コストの推移
過去2年(2018,2019年)の新卒・中途の採用コストの推移を見てみると、採用コストは年々増加傾向にあることが分かります。
前出の『就職白書2020』によると、新卒採用については、2018年度の平均コストは71.5万円であり、2019年度(93.6万円)には約30%増加しました。
中途採用については、2018年度の平均コストは83万円であり、2019年度(103.3万円)には約40%の増加となっています。
出典:就職みらい研究所『就職白書2020』,リクルート 就職みらい研究所調べ
2021年以降の就職白書には平均採用コストに関するデータは掲載されていませんが、2023年度の就職白書では、2024年卒の採用活動に費やす総費用の見通しについてのデータが発表されています。
データによると、昨年度と同額と回答した企業は62.1%、増えると回答した企業は31.3%で、減らすと回答した企業は6.6%でした。
出典:就職みらい研究所『就職白書2023』データ集,リクルート 就職みらい研究所調べ
上記のデータから、今後も多くの企業が採用コストを同額程度は費やす、もしくは、増やす必要があると考えていることが推測できます。
採用コストが増加している要因としては求人倍率の高さがあり、企業は優秀な人材を獲得するためにより多くのコストをかけるようになっています。特に採用活動に従事する社内人員数の増加や、広告やイベントなどのPR費用の増加などがコスト増の要因として挙げられます。
また、エンジニアはほかの職種と比べても売り手市場が顕著であり、特に採用コストが高くなる傾向にあります。
株式会社マイナビの「中途採用状況調査2023年版(2022年実績)」によれば、2022年に採用者1人当たりにかけた求人広告費を職種別で見ると、「ITエンジニア」が「医療・食品・科学・素材」「クリエイティブ」「WEB・インターネット・ゲーム」に次いで第4位にランクインしています。2021年実績では全体で5番目であるので、他の多くの職種に比べ採用コストが増加していることが推測できます。
出典:株式会社マイナビ「中途採用状況調査2023年版(2022年実績)」(2022年12月調査)
採用コストがかさむ3つの原因
このように近年採用コストは増加傾向にありますが、手当たり次第に採用コストを削減すると質の良い人材を確保できなくなるため得策ではありません。より効果的な採用活動につなげるためには、コストがかさんでいる原因を知ることが重要です。
採用活動が長期化している
採用倍率が高まる売り手市場化が進み、転職が活発になったこともあり、候補者は早期に内定を獲得しても、より良い企業の内定を求めて就職・転職活動を続ける傾向があります。そうなると必然的に企業側も採用活動を長く続けなければならず、コスト増加の要因となっています。
新卒採用においては、入社時期が決まっている一方で就活開始時期の早期化が進んでいることも、採用活動長期化の原因として挙げられます。
採用しても早期退職者が多い
採用コスト削減において重要なのは人材の定着です。しかし、書類選考や面接を重ねてようやく採用できても、入社後すぐに退職する社員が多く出てしまい、採用コストが無駄になることが珍しくありません。
退職しない場合でも、業務内容やカルチャーにマッチせず自社に不満を抱える人材はローパフォーマー化しやすく、事業全体の損失につながってしまいます。
自社にあった採用方法を選べていない
予算や規模感にあった採用方法をとっていないなど、採用方法そのものが間違っている場合もあります。例えば人材エージェントでは、採用が決まるごとに年収の数十%のフィーを支払う形をとる会社が多くありますが、エージェントを経由して採用できる人材の質に比べコストが見合っていない、といったケースも考えられます。
このように効果の出ていない採用方法にコストを費やしており、採用活動のPDCAが回せていないと採用コストが無駄になりやすいといえます。
採用コストを削減する効果的な方法
では、採用の質を下げずにコストを下げるにはどうすれば良いのでしょうか。効果的な方法を3つご紹介します。
候補者・内定者のフォローを徹底する
1つ目は候補者・内定者のフォローを徹底することです。
例えば、インターンシップを通じて自社の雰囲気や業務内容などを実際に知ってもらうことで、新卒社員の入社意欲を高めるなどの効果が期待できます。
また、内定者とのコミュニケーションを強化し、内定者同士や会社との懇親会などを催すことで内定辞退を減らすといった取り組みも効果的です。
入社後のミスマッチを防止する
ミスマッチにより入社後の早期退職が発生すると、ふたたび同等のコストをかけて採用活動を行なわなければならず、多くのコストがかかってしまいます。
早期退職を減らすためにはミスマッチを防止する必要があります。求める人物像・スキルを明確にする、自社のネガティブな情報も伝える、現場の社員も採用活動に参加する、といった対策を通じて自社と応募者の認識のズレをなくすことが重要です。
採用方法全体を見直す
外部コストは外部の企業のサービスを活用する場合に発生するため、どこにどのくらい予算をかけるか自社で戦略的に選択できる要素であり、削減する対象として最も効果的です。
例えば求人広告媒体を見直し、よりコストパフォーマンスの高い広告媒体を選択して広告費を節約したり、SNSやリファラル採用(社員からの紹介)を活用して最小限のコストで候補者を獲得したりする戦略が考えられます。
その中でも、近年さまざまな企業で導入が進むダイレクトリクルーティングは、ターゲットを絞って直接的なアプローチができるため、コストが無駄になりにくいメリットがあります。
ダイレクトリクルーティングの概要や効果的な活用方法を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
▶ ダイレクトリクルーティングとは?メリット・デメリット、中小企業が成果を上げるポイントまで解説
▶ ダイレクトリクルーティングの活用でエンジニア採用を成功させる方法
初めてでも安心!ダイレクトリクルーティング支援サービスのご案内
「アイティ人事」は、ITエンジニア採用向けの採用コンサルティング支援サービスです。ダイレクトリクルーティングの支援も行っており、人材紹介などで採用するよりもミスマッチを減らすことができます。
ダイレクトリクルーティングにかかる費用としては、「媒体利用料」と「成果報酬」が一般的ですが、人材紹介サービスの成果報酬と比較して、年間の採用コストを低減することが可能です。
また、ダイレクトリクルーティングが初めてでも安心なサービスを提供しており、ノウハウを持った担当者が伴走し、採用コストの低減を支援します。採用のプロに業務をアウトソーシングすることで、内部のプロセスやリソースを最適化し、内部コストも削減できます。
「アイティ人事」のサービス詳細については以下をご覧ください。
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