中途採用手法9種類をまとめて紹介!代表例からトレンド、選び方のポイントまで解説

2024年

 
近年、多くの企業や業界で中途採用の手法が多様化しています。特に、転職サイトやハローワークといった従来型の手法ではなく、ダイレクトリクルーティングをはじめ企業側から求職者にアプローチする手法に注目が集まっています。
本記事では、中途採用手法が多様化している背景から代表的な採用手法、また最近トレンドとなっている採用手法などについて、選び方のポイントも含めてご紹介します。

中途採用手法が多様化している背景

近年の日本企業では中途採用が盛んになっており、中途採用の手法も多様化しています。その背景としては以下の要素が挙げられます。

少子高齢化・労働人口の減少

日本では少子高齢化に伴い労働人口が減少しています。総務省の資料によれば、生産年齢人口(15~64歳)は1995年には約8,700万人でしたが、その後減少し続け、2021年には7,450万人となっています。 働き手が減少したことで、転職市場では有効求人倍率が上昇し、転職者の採用が難化しています。

 

特に、ベンチャーや中小企業が採用難の影響を大きく受けており、従来の採用手法では効率的に人材を確保できない事態になっています。こうしたことから、多様な採用手法を駆使して人材を獲得する動きが活性化しています。

 

中小企業における採用難の現状と対応策については、以下の記事で詳しく解説しています。

※出典:総務省「情報通信白書(令和4年版)」

人材のミスマッチ

働き手の減少を受けて、求人に対する応募者数が減ったため、「良い人材に出会えない」「社員が定着しない」といったマッチングに関する悩みを抱えている企業も増えています。
企業側は履歴書に書かれた情報のみで判断し、また求職者側は求人広告などに掲載された企業の情報のみを頼りにすると、企業のカルチャーや雇用条件、採用後の職務内容などさまざまな面でミスマッチが発生しかねません。

 

ミスマッチは早期退職の原因になるため、採用前にお互いの認識をすり合わせられるよう採用手法が多様化している背景があります。

働き方の変化

近年ではワークライフバランスが重視されるようになり、コロナ禍の影響からリモートワークも普及しました。こうしたことから雇用形態が多様化し、フルタイムで出社する働き方が当たり前ではなくなりつつあります。
それに伴い採用活動もオンラインで行われることが増えており対面での面接以外の採用方法を選択する企業が増えてきました。

代表的な中途採用手法5選

近年の企業の採用手法は多岐にわたっています。各手法によって特徴が異なるため、まずはそれらを把握することが中途採用を成功させるための第一歩です。 本章では、従来の転職者採用にて活用されてきた代表的な5つの採用手法と、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

①転職サイトの求人広告

転職サイトは最も一般的な中途採用手法の1つです。自社の求人情報をサイトに掲載し、求職者からの応募を待つ他、自社からアプローチをかけることも可能です。

 

転職サイトには大きく分けて、さまざまな業種・業界、職種の情報を掲載する「総合型」と、特定の業界や職種(エンジニアなど)に絞って掲載する特化型の2種類があります。

 

最もメジャーな採用方法ではあるものの、大手をはじめ多くの競合他社も求人情報を掲載しているため、ベンチャー・中小企業は不利になるケースが多い点には注意が必要です。

 

メリット デメリット
母集団が大きく、求める人材の目に留まりやすい 求める人材から応募が来ない可能性がある
転職のモチベーションの高い求職者が多い 求人数が多く大手と競合するため、知名度の低いベンチャー・中小企業は不利
スカウト機能など自社からアプローチできる媒体もある  

 

②オウンドメディアリクルーティング

採用専門のページを自社で作成・運営する方法です。自社で運営するため自由度が高く、発信したい情報を詳しく正確に伝えることができます。

 

自社に興味を持つ層はほとんどの場合、企業のページを訪問して情報収集するため、オウンドメディアの重要性は高まっています。一方で、直接企業名を検索してサイトに辿り着く人は多くありません。求人広告などで企業のことを知り、さらによく知りたいと思い訪問するパターンが多いため、求人広告と併用することが一般的です。

 

メリット デメリット
情報発信の自由度が高い 成果が出るまで時間がかかる
求人情報以外の企業情報や理念なども発信できる サイト制作やメディア運営などのノウハウが必要
求職者の自社に対する理解度を高められる こまめな更新、メンテナンスの手間がかかる

 

③人材紹介

人材紹介会社(エージェント)に希望する人材の条件を伝え、条件に合致した人材を登録者の中から紹介してもらう手法です。人材紹介会社と事前に面談などを行うことで、求める人材像を詳細にすり合わせることができ、ミスマッチをある程度防ぐことが可能です。

 

料金は「成果報酬型」であり、候補者が内定を受け入れた時に初めて料金が発生します。報酬額は一般的に年収の約35%とされており、他の方法と比べると費用は高い傾向があります。

 

メリット デメリット
質の高い人材と出会いやすく、ミスマッチをある程度防げる 成功報酬の料金が高い
採用されるまで費用が発生しない 人材紹介会社によって採用成功の質に差がある

 

④ハローワーク

厚生労働省が設置・運営する公共職業安定所のことであり、中途採用の代表的な手法の1つです。無料で求人情報を掲載できる他、都道府県ごとに設置されているため地域内の人材確保に向いています。

 

一方で、採用手法が多様化していることなどから、若年層の求職者が少ない点には注意が必要です。また、コストは抑えられるものの、求めるスキルや経験を持つ人材がすぐに集まらない可能性も考えられます。

 

メリット デメリット
求人掲載が無料 若年層の求職者が少ない
地域内での採用に向いている 求めるスキルや経験を持つ人材を確保できない可能性がある
  求人票作成や掲載に時間がかかり、採用までの工数が多い

 

⑤求人検索エンジン

求人専門の検索エンジンのことであり、勤務地や職種などの項目を絞って希望する求人を検索できます。求人サイトと異なり求職者側の登録が不要のサービスが多く、利用者が増えています。また、企業側としては掲載を無料で行える点がメリットです。

 

一方で、掲載求人が多く、自社の求人情報が埋もれやすいデメリットがあります。料金体系は求人票がクリックされるたびに費用が発生する課金制が一般的です。

 

メリット デメリット
求人掲載自体は無料 掲載企業が多く、自社の求人が埋もれやすい
利用者が増えており、多くの求職者にアピール可能 定期的に更新が必要となり、求人が埋もれやすくなる
詳細な条件で検索できるため、ミスマッチが起きにくい  

 

2023年最新!中途採用のトレンド手法4選

ここまでは一般的な採用手法をご紹介しましたが、以下では近年活用が進んでいる中途採用のトレンド手法の概要と、メリットやデメリットをご紹介します。

①リファラル採用

社員の友人や知人など、社内の人的ネットワークを活用して採用する方法です。いわゆる「コネ採用」とは異なり、書類選考や面接など正規の採用手続きを踏みます。 事前に自社の社員から、企業文化や業務内容など社内のリアルな事情を知ることができるため、定着率が高いメリットがあり、採用コストを抑えられます。

 

一方で、紹介した人材が不採用になった場合や入社後にすぐ離職してしまった場合などには、紹介した社員側と会社側の関係が悪化する可能性があるため、実施する際には社員のエンゲージメントを下げないための工夫が必要です。

 

メリット デメリット
コストを抑えることができる 社内のコネクションがないと実施できない
入社後のミスマッチが少なく、定着率が高い 不採用による人間関係悪化の可能性がある

 

②SNS採用(ソーシャルリクルーティング)

「ソーシャルリクルーティング」とも呼ばれ、Twitter や FacebookなどのSNSを通じて求人情報を発信したり求職者と直接コミュニケーションをとったりする方法です。SNSは若年層が利用するメディアというイメージがありますが、現在では年齢に関係なく中途採用でも活用されています。 SNS採用は情報の拡散性が高く、求職者と直接コミュニケーションをとることで会社の情報を正しく伝えられる強みがあります。

 

ただし、SNSを採用ツールとして使いこなすにはノウハウが必要であり、成功法が確立されていない点や、求める人材にアプローチできたとしても採用までに時間がかかることには注意しなければなりません。

 

メリット デメリット
拡散性が高い 採用までに時間がかかる
会社の情報やイメージを伝えやすい 新しい採用手法であり、成功法が定まっていない

 

③ミートアップ

求職者を自社のオフィスに招き、自社の社員と直接交流したり社内見学をしたりすることで会社の雰囲気を知ってもらう方法です。求職者の中に求める人材がいれば自社からアプローチします。企業の魅力やカルチャーを肌感覚で知ってもらえるメリットがあり、求職者との関係構築に役立ちます。

 

一方で、企画に工数がかかるものの、必ず採用につながるわけではないため、採用の前段階の広報・ブランディング的な意味合いで行うことをおすすめします。

 

メリット デメリット
求職者の自社に対する理解を深められる 企画から実施までに手間がかかる
自社のイメージアップ・ブランディングに活用できる 採用につながらないこともよくある

 

④ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、「スカウトメール」などを使って求職者に対して企業側から直接アプローチする方法です。特に、スカウトメールを活用することで、競合他社よりも先に潜在層も含めた優秀な人材に接触できます。

 

また、求める人材を絞ったうえでアプローチできるため、求職者から応募を待つ従来型の採用手法に比べスクリーニングの手間が省け、ミスマッチが起こりにくいメリットがあります。
人材獲得競争の激しいエンジニアなど専門職の採用や、応募が集まりにくいベンチャー・中小企業にとっては特に効果的な手法です。

 

メリット デメリット
求める人材と直接やり取りできる 成果が出るまで時間がかかる
転職潜在層にも幅広くアプローチできる スカウトメールの作成雨や候補者からの返信対応など、工程が多い
採用コストを抑えやすい  

 

ダイレクトリクルーティングの詳細については以下の記事で解説しています。

▶ ダイレクトリクルーティングとは?メリット・デメリット、中小企業が成果を上げるポイントまで詳しく解説

 

また、ダイレクトリクルーティングで活用するスカウトメール送付のポイントなどは、以下の記事で詳しく解説しています。

▶ スカウトメールの返信率を上げるコツ5選!平均返信率や起こりやすいNGポイントも解説

最適な中途採用手法の選び方

ご紹介したように数多くの中途採用手法がある中で、最適な手法を選ぶ際には以下の点を押さえておく必要があります。

採用コストはどのくらいか

自社がかけられる採用予算を踏まえたうえで、採用コストの低さを優先させる場合には、SNS採用(ソーシャルリクルーティング)やハローワーク、求人広告といった、利用料金(求人掲載コストなど)が比較的かからないものを活用し、それらを組み合わせる方法が効果的です。


ただし、コスト面ばかりを気にしていると、採用までのスピードが遅くなったり、求める人材とのマッチング精度が低くなったりする可能性があります。

人材の確保にどのくらい時間をかけるか

必要な人材をすぐに確保したい場合には、転職意欲の高い応募者を紹介してくれる人材紹介サービスの活用がおすすめです。

エージェントとの面談などを通じて、すぐに人材を確保したい旨を伝えることで、優先的に求める人材を紹介してくれる可能性が高まります。

しかし、人材紹介サービスはコストが高くなりやすいことには注意が必要です。

採用要件に合う人材と出会えるか

エンジニアなど、専門的なスキルが求められる職種の人材を採用したい場合や、自社が求める優秀な人材をピンポイントで採用したい場合は、リファラル採用やダイレクトリクルーティングがおすすめです。


ただし、専門的な人材や優秀層は獲得競争が激しく、自社に採用ノウハウが蓄積されていないと人材確保は難しくなります。多くの工数をかけたにも関わらず、必要な人材を採用できなかったという事態にならないよう、他の手法と組み合わせることに加え、採用のプロにサポートを頼むことも選択肢の1つです。

手法や媒体の選定に困ったら|中途採用のプロにご相談を

自社のニーズに合わせて最適な採用手法を選ぶことは、採用活動において非常に重要です。 また、多くの採用手法は、基本的に採用媒体を通して利用することになるため、適切な採用媒体を選定する必要もあります。 採用活動に関して、自社だけでの解決が難しい場合や困りごとがある場合には、採用のプロのサポートを受けて解消することがおすすめです。

 

アイティ人事」は、特に採用が難しいといわれている「エンジニア」を確保したい企業様のサポートを行っています。最適な手法・媒体の選定から運用まで、採用に関わるほぼすべての業務をご支援します。 また、候補者の要件や業務内容、現状の状況をご共有いただければ課題を抽出し、施策を提案・実施することも可能です。

 

以下にて「アイティ人事」のご案内をしております。興味を持っていただいた方は、ぜひ御覧ください。

▶ 「アイティ人事」のご案内ページ

他のお役立ちコラム記事

"RecruitX Pro"に関するご相談 新卒・中途採用の課題など
お気軽にご相談ください。

【毎月20組限定!】無料相談はこちら