採用代行(RPO)とは?メリット・デメリット、中小企業がエンジニア採用で採用代行を導入すべき理由について解説!

2024年

 
人手不足などを背景に、企業の採用活動に採用代行(RPO)を導入する動きが活発になっています。採用代行を導入することで採用にかかる工数を削減でき、コア業務に集中できるなどさまざまなメリットがあります。本記事では、採用代行の基礎知識やメリット・デメリットについて紹介したうえで、特に中小企業が採用代行を導入すべき理由を解説します。
 

採用代行(RPO)とは?

採用代行とは、企業の採用活動に関する業務を外部委託することで、RPO(Recruitment Process Outsourcing)とも称されます
採用代行をうまく活用することで、自社の採用にかかわる人的負担の軽減や採用力向上を期待できます。

採用代行でできること

採用代行を導入することで、採用にかかわる事務的な仕事を代行してもらえるため、自社で行うべき業務の工数が削減可能となります。具体的には、求人広告の作成や書類の確認、スカウトメールの作成・送信、応募者への対応、面接日程の調整といったルーティーン的な業務を採用代行事業者に依頼することができます。

 

また、採用代行事業者は採用活動を専門に行っているため専門知識を有しています。そのため、その知識にもとづいたコア業務の補助をすることも可能です。たとえば、採用計画の立案や人材要件の定義、内定者フォローといった業務が挙げられます。

採用代行(RPO)が注目される背景

近年、注目が集まる採用代行ですが、その背景には人事業務の増加・複雑化があります。

 

終身雇用制度が揺らぎ転職が当たり前になった現在、転職市場は活性化しており、さらに人口減少・少子高齢化による人手不足の影響もあり採用環境は厳しさを増しています。

こうした中で優秀な人材を獲得するためには、確かな採用ノウハウをもとに求職者へ適切なアプローチをかけなければなりません。

 

しかし、用活動を自社だけで進めようとすると、採用担当者の業務量は膨大となり、採用のコア業務にリソースを割けず、満足な採用ができないという問題が生じることがよくあります。

 

また、AIをはじめとした先端技術の発展や、「2025年の崖」に対処するためのDX需要増大もあり、エンジニアの採用は特に難しくなっています。


ITに限らず様々な業界でエンジニアの需要が増えている一方、人材の供給が追いついていない状況です。
経済産業省の調査によれば、IT需要の伸びが「高位」の場合、2030年には約79万人ものIT人材が不足すると予測されています。

このように、近年は企業が求める知識や技術のレベルが高まり、そして経験を持ったエンジニアの争奪戦が激しくなっている状況であるため、採用業務をより強化するべく採用代行が注目されているのです。

 

※出所:経済産業省「IT 人材需給に関する調査」(みずほ情報総研株式会社委託)2019年3月発表

 

以下記事では、エンジニア採用を成功させるためのステップなどを解説しています。こちらもあわせてご覧ください。

▶ 「エンジニア採用は難しい!」を脱却するためには|採用がうまくいかない理由と成功させる方法

採用代行(RPO)の将来性

採用代行は現在注目されているものの、将来性はどうなのでしょうか。

 

先述のように、人口減少・少子高齢化による人手不足を背景に、あらゆる業界で人材確保が経営課題となっています。

さらに、近年は採用方法が多様化しており、その分、採用業務に必要となる工数も増えているため、小規模事業者を中心に自社のリソースだけでは間に合わない企業も少なくありません。
こうしたことから、今後も採用代行のニーズは高まると予想されています。

 

民間の市場調査機関によると、2021年度の採用代行市場(主要3市場計)は前年度比15.0%増の628億円であり、2022年度には706億円に達すると予測され、今後もさらなる市場の拡大が期待されています。

 

※出所:(株)矢野経済研究所「採用アウトソーシング市場に関する調査(2022年)」2023年3月30日発表
注︓事業者売上高ベース、市場規模は採用アウトソーシング(RPO+MSP)、採用管理システム、採用関連アセスメントの主要3市場の合算値で、一部重複している。

採用代行(RPO)のメリット・デメリット

以下では採用代行の理解を深めるために、採用代行のメリット・デメリットをそれぞれご紹介します。

 

 

メリット デメリット
・採用のコア業務に集中できる ・依頼しただけでは採用ノウハウを蓄積しにくい
・自社で採用専任者を採用するよりも比較的安価に導入できる ・コミュニケーションを図らないと齟齬が生じる
・採用活動全体または一部でもアウトソーシングができ、担当者の負担が減る ・1つの施策だけでなく複数の施策を用意する必要がある
・求人媒体・データベースの機能をフル活用できる  
・採用活動の質を向上させるためのノウハウを習得できる  

 

採用代行の5つのメリット

採用代行のメリットとしては以下5つが挙げられます。

 

・採用のコア業務に集中できる

手間のかかるルーティーン的な業務を任せることができるため、自社の採用担当者は採用計画・戦略の立案や合否判定などのコア業務に集中できます。
これにより求める人材をより適切に見極められ、内定者フォローもきめ細かく行えるなど、採用力の強化を図れます。

 

・自社で採用専任者を採用するよりも比較的安価に導入できる

採用力強化のために採用専任者を確保する場合は、最低でも社員1人分の人件費がかかります。
サービスや提供する企業にもよりますが、採用代行の導入費は月数十万円程度であるため、担当者を新たに採用するよりも安価に抑えられる可能性があります。

 

・採用活動全体または一部でもアウトソーシングができ、担当者の負担が減る

採用代行は、最終的な合否判定以外の採用業務全体、またはその一部をアウトソーシングできるため、自社の採用担当者の負担を軽減できます。
特に、人的リソースに乏しい中小企業にとっては大きなメリットです。

 

・求人媒体の機能をフル活用できる

採用代行を行う企業は採用業務を専門としているため、各求人媒体の機能や傾向を熟知しており、自社に適した媒体の選定や媒体の機能活用などが期待できます。

 

・採用活動の質を向上させるためのノウハウを習得できる

採用代行では、これまでの実績や経験にもとづき、採用に関する助言を受けたり、進捗状況の共有を通じて改善点を洗い出したりしてくれるため、専門家の持つノウハウを学べるメリットもあります。
情報共有を密に行うなどコミュニケーションを図り、PDCAを回すことでより採用活動の質を高めることができます。

採用代行の3つのデメリット

一方で、採用代行には以下のデメリットもあり、利用する際には以下の点について注意が必要です。

 

・依頼しただけでは採用ノウハウを蓄積しにくい

先述のように採用代行事業者と密なコミュニケーションをとることでノウハウを習得できるメリットがありますが、単に依頼しただけでは自社の社員が採用の実務経験を積めないため、ノウハウがなかなか蓄積されません。
採用状況の確認や細かな現状分析、改善点の洗い出しなどの情報共有も積極的に行う必要があります。

 

・コミュニケーションを図らないと齟齬が生じる

採用代行事業者に採用業務を丸投げしてしまうと、自社が求める人材が集まらないなど、ミスマッチが生じる可能性が高まります。
1つ目のデメリットと同様、定期的かつ密なコミュニケーションを取ることが重要です。

 

・1つの施策だけでなく複数の施策を用意する必要がある

エンジニア採用は難化していることもあり、たとえば求人媒体のみのアプローチでは求める人材をなかなか確保できないこともよくあります。
そのため、リファラル採用やダイレクトリクルーティングなど、複数の施策をあらかじめ候補として用意する手間がかかる点もデメリットです。  

中小企業がエンジニア採用で採用代行(RPO)を導入すべき理由

以上のようにさまざまなメリットのある採用代行ですが、中小企業などは特に採用代行を導入すべきです。

 

一般に、中小企業やスタートアップ、ベンチャーなど人員に限りのある企業は、収益に関わる部署に優先的に人員が配置される傾向があります。
そのため、採用担当者が通常業務と採用業務を兼務していることが多く、人員や時間、予算といったリソースを採用業務に十分にあてられないケースも少なくありません。

 

また、専任の採用担当者がいたとしても専門家ではないことも多々あります。
エンジニア採用ともなると、採用に関する知見に加え、エンジニア・IT業界特有の知識やスキル、経験の有無を判定するための知見が必要とされます。


こうした課題を自社だけで解決し、エンジニア採用を成功させることは現実的には困難です。
そのため、採用代行(RPO)事業者と協力し、効率的な採用活動を進めることが必要となります。

 

以下記事では、エンジニアの採用にアウトソーシングとコンサルティングの視点を入れることの重要性について解説しています。エンジニア採用にご興味のある方はぜひご覧ください。

▶ エンジニア採用成功の鍵は、コンサルティング×アウトソーシング!

採用代行(RPO)を依頼する流れ

採用代行事業者への依頼は以下の流れに沿って行います。

 

・STEP1:相談・ヒアリング

事前に自社の採用における近年の実績や課題感などを整理しておき、相談・ヒアリングを行います。ヒアリングの中で、より具体的な課題の抽出やおおまかな予算を算定します。

 

・STEP2:見積もり

ヒアリングの内容をもとに、目標達成のためのロードマップなどサービス内容の詳細を明示し、価格の確認・承諾などを行います。

 

・STEP3:契約・設定

秘密保持契約の締結を行い、契約します。契約に際しては、法務部門等と相談し内容について精査する必要があります。

 

・STEP4:サービス開始

契約が締結された後は、採用代行事業者側で担当者の割り当てや体制整備を行い、打ち合わせの内容に沿って実際にサービスを開始します。

 

採用戦略の立案から採用実務まで、お客様のニーズに合わせた採用支援サービスを提供しているア・ロッカ株式会社では、こうした一連のプロセスに関して契約まで最短1週間で実施可能です。

 

エンジニア採用に特化した採用コンサルティング支援サービス「アイティ人事」では、採用代行(RPO)による求人活動支援に加え、専任担当者のコンサルティングによる採用ノウハウの蓄積も可能です。

 

また、事前のヒアリングや密なコミュニケーションにより、採用した人材のミスマッチといった問題も解消します。

以下ではエンジニア採用特化の採用コンサルティング支援サービス「アイティ人事」をご紹介しております。ご興味のある方はぜひご覧ください。

▶ 「アイティ人事」サービスご案内ページ

他のお役立ちコラム記事

"RecruitX Pro"に関するご相談 新卒・中途採用の課題など
お気軽にご相談ください。

【毎月20組限定!】無料相談はこちら