採用ペルソナとは?作り方の流れやポイント、注意点を詳しく解説

2024年2月5日
  • LinkedIn
  • Facebook
  • Twitter
採用ペルソナとは、採用候補者の人物像を具体的に設定したものです。採用ペルソナは、適切に作成することで自社に適合する人材の採用につながりますが、「どうすればうまく作れるのか分からない」というお悩みを抱えているご担当者の方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、採用ペルソナを作成するメリットや作成する際の流れ、ポイントなどを詳しく解説します。
求人に応募が来ない…とお悩みのご担当者様へ

採用ペルソナとは?

自社に合った優秀な人材を採用し、早期離職を防ぐ上で「採用ペルソナ」の設定は欠かせません。まずは採用ペルソナとはどういうものであり、その役割やメリットとは何かを解説します。

採用におけるペルソナの役割

採用ペルソナとは、採用したい人物像を具体的に設定したものです。「ペルソナ」とは「人格」を意味し、マーケティング用語としては自社のサービスや商品を購入してくれる典型的なユーザー像のことを指します。

採用ペルソナを作る際には、年齢や性別、学歴、居住地などの基本的な属性のほか、趣味や嗜好、家族構成、仕事に対する価値観、転職の動機(中途採用の場合)などの項目を、実際に存在する人物であるかのように設定します。

採用におけるペルソナには、候補者の目にとまりやすい求人原稿の作成や、選考の際に「活躍する人材」を見極める質問考案の手がかりを提供してくれます。ただし、採用ペルソナ自体は採用基準とはならず、あくまでも選考の準備を円滑に進めるためのものである点には注意が必要です。

採用ペルソナは、採用活動を進める際に不可欠となる採用計画を立てる中で作られます。採用計画を立てる流れやポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

採用ペルソナと採用ターゲットの違い

採用ペルソナと似た概念に「採用ターゲット」があります。採用ターゲットは、募集対象となる人物の職務経歴や業務スキル、性格といった人材要件を幅広く定義したものです。

採用ペルソナの場合は1人の人物像を想定し、スキルや経験のみならず志向性や趣味・嗜好、現在の人間関係なども含め詳細に描写しますが、採用ターゲット採用ペルソナに比べると抽象度は高めで、採用候補者に求める共通要素を洗い出したものです。

採用ペルソナを作成するメリット

採用ペルソナを作成することで、求める人材の認識や具体的なイメージを社内で揃えることができ、採用活動の効率アップやミスマッチの防止につながります。

人事担当者だけでなくチームリーダーや部門長も理想の人材像について考えを共有できるため、選考プロセスでの意思決定が迅速かつ正確になります。人物の性格や志向性なども設定するため、自社の社風や価値観に合った人物のスクリーニングに役立たせることも可能です。

採用ペルソナの作り方

採用ペルソナは、以下の流れに沿って作成していきます。

①社内でヒアリングを行う

まずは、自社で必要とされている人材の業務スキルや経験、性格、価値観といった要件を経営層や現場の部署にヒアリングします。その際、現場で活躍している社員へのヒアリングも行うことで、自社の職場環境にマッチし活躍する人材の特徴を把握しやすくなります。ヒアリングを通じて、ペルソナを構成する項目を思いつく限り洗い出しておくと良いでしょう。

②人材要件を整理する

次に求める人材の要件を整理します。①で列挙した要件の中で優先するものを定めていくことがおすすめです。
人材要件を定める際には、入社後の労働条件や採用候補者の職務経験、求める業務スキルや仕事に対する価値観などを幅広く定義します。そのうえで、Must(必須)の要件とWant(望ましい)の条件に分けることで、後々人材をスクリーニングしやすくなります。

人材要件の詳しい作り方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

③採用ペルソナの各項目を設定する

人材要件が定まったら、採用ペルソナを作成します。性別、年齢、居住地、家族構成、経歴などの詳細を設定し、候補者のイメージを詰めていきます。
ITエンジニア採用でペルソナを作成する場合は、上記項目のほか、候補者が希望する「商流」も設定すると良いでしょう。

採用ペルソナの具体例としては、以下のようなものが挙げられます。

ペルソナの例以上はあくまでも一例ですので、実際に作成する際は、自社が重視する項目を追加したり、より詳細に設定したりして適宜調整しましょう。

④社内で合意形成を行う

採用ペルソナを作成したら、経営層や配属先部署に共有し、求める人材のイメージに相違がないかすり合わせを行います。事前に採用ペルソナを共有しておくことで、採用活動の方向性が途中でブレることを防止でき、また社内の受け入れ態勢も整えやすくなります。

⑤フィードバックを基に改善する

採用ペルソナを社内に共有し、現場や経営層からフィードバックがあれば修正し、再度合意形成を図ります。Mustの要件やWantの要件など、各要件の優先順位をつけていくことで、現実的なペルソナができ上がり、採用の成功につながります。

⑥応募者の募集・選考に反映させる

合意が取れたらその内容を求人票や選考内容に反映させ、募集や選考を進めていきます。採用ペルソナを事前に作成しておくことで、実際の募集の過程でどのターゲットにどのようにアピールすれば良いか検討しやすくなったり、選考基準も明確化しやすくなったりします。

採用ペルソナの作成で押さえるべき3つのポイント

採用ペルソナを作成する際には、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。

自社で働く魅力を洗い出してから作成する

採用ペルソナを作成する前に、自社の職場環境の魅力は何かを洗い出します。候補者に対して自社が何を提供することができるのかを洗い出すことで、それに適合する人材像や、求職者への訴求内容も明確化しやすくなります。
例えば、大規模の案件に携われる、キャリアアップが早いなど、業務内容や社内制度、文化などの面で他社と比べた強み・魅力を明確にすることが大切です。

求職者の労働価値観を調査する

中途採用の場合、求職者は現在の職場と自身の労働価値観の違いに悩んでいることが珍しくありません。そこで、最近の求職者が仕事やキャリア形成についてどのような価値観を持っているか、どのような職場環境が望ましいと考えているか調査し、それに適した職場環境を整備することで多くの求職者を惹きつけられるようになります。

具体的な項目としてはワークライフバランスや給与、雇用形態といった条件面のほか、成長環境やスキルアップへの支援といったキャリア面の価値観も調査すべき項目です。
労働価値観の動向を考慮することで、非現実的な採用ペルソナとなることを防止でき、時代の変化に応じた職場環境への改善につなげることもできます。

複数のペルソナを作成する

自社にマッチするペルソナは1つのパターンだけとは限りません。そのため、職歴や志向性など、特徴が異なる複数の採用ペルソナを作成しておくことで、偏ったターゲティングになることを防ぐことができ、さまざまなタイプの優秀な人材を採用しやすくなります。
似た人材を多数採用するリスクが低減されることで、組織の活性化や多様性の確保にも貢献するでしょう。

採用ペルソナのNG例

なお、採用ペルソナを設定する際には以下の点に注意する必要があります。

ペルソナを詳細に決め過ぎている

採用ペルソナは、あくまでも求める人材像をリアルにイメージし、適切な採用基準や選考内容を設計するためにつくるものです。そのため、条件を細かく設定し過ぎると、該当する候補者が限られてしまい、母集団形成が難しくなる恐れがあります。
ペルソナを詳細に設定することが目的になったり、ペルソナが持つ詳細な特徴(特に自社で活躍するかどうかにはあまり関係のない項目)にこだわり過ぎたりすることは避けましょう。

定期的な見直しを行っていない

企業自体の成長や、外部の採用市場の変化、また過去の採用の成否に応じて、採用計画やペルソナもブラッシュアップが必要です。過去に定めたペルソナのまま採用活動を続けていると、採用ペルソナと時代や社会状況が合わなくなり、ペルソナに該当する人材がいなくなるなど、思ったような採用成果が出ない状況に陥ってしまいます。
採用成果の検証を行い、社内外の環境変化を把握することで、より最適なペルソナにアップデートしていくことが必要です。

採用戦略の策定に困ったら|採用のプロにご相談を

採用ペルソナは採用したい人物像を詳細に定義したものであり、適切に設定することで選考をスムーズに進め、採用後のミスマッチを防ぐことにつながります。採用ペルソナを作る際はいきなり作成せず、ステップを踏んで適切なものを作成しましょう。
また、その際、求職者が持つ労働への価値観や、社会状況なども踏まえながら、自社で働く魅力を洗い出して作成することが重要です。

しかし、ペルソナの作成をはじめとする最適な採用計画を作成するにはノウハウが必要であり、自社だけではうまくできるか不安な採用ご担当者の方もいるのではないでしょうか。
採用計画の策定に困った際には、採用コンサルティングや採用代行(RPO)といった採用支援サービスの活用がおすすめです。

「アイティ人事」は、ITエンジニア採用業務領域に専門特化した採用コンサルティング支援サービスであり、採用戦略の立案から採用実務まで、お客様のニーズ・課題に合わせたご支援が可能です。

採用ペルソナの作成に不安があるお客様も、プロのアドバイスを受けながら、自社に最適な採用計画を立てることができます。

アイティ人事のサービスの詳細については下記をご覧ください。

「アイティ人事」サービス資料

また、下記の資料では自社に合った採用支援サービスの選び方をご紹介していますので、採用支援サービスの導入をご検討している方はぜひご覧ください。

お役立ち資料

自社に必要な採用支援サービスの選び方①
自社に必要な採用支援サービスの選び方
支援内容とサービスの選定ポイント
企業の採用活動は、採用計画立案・採用目標の可視化・募集・面接・内定者のフォロー…など、多くの業務があります。加えて、昨今の労働人口減少により採用競争は激化しており、効率化と質の向上を目指して「採用支援サービス」を導入する企業が増えています。しかし、採用支援サービスにはさまざまな種類があり、自社に合ったサービスがわからないという方も多いのではないでしょうか。 そこで本資料では、採用支援サービスの概要と、自社に合った採用支援サービスの選び方をご紹介します。採用支援サービスの導入をご検討している方は、ぜひご一読ください。
資料ダウンロード